・加重グッズ(ベスト、ブランケット)

加重ベスト、荷重ブランケットは、一定の圧を身体(筋肉)に与えることで、脳内で行われている感覚情報処理の機能を安定させようとするものです。

感覚の感じ方に偏りを持つ子どもは、特定の感覚刺激を過剰に求めたり嫌がったりすることがあります。

またこの特性と関連し、物事に取り組むときに必要な脳の目覚め(覚醒)や注意の集中などが安定しないことがあります。

感覚統合理論では固有感覚(筋肉の感覚)を脳が受け取ることで感覚情報処理が安定すると考えられており、この考え方にもとに作られた感覚グッズが、加重ベスト、ブランケットです。

 

・加重ベスト

加重ベストは、強い感覚刺激を求める子どもたちに人気のある感覚グッズのひとつで、子どもの感覚ニーズを満たす効果が期待できます。

感覚過敏で不安感が強い場合にも、その不安感の軽減を目的に使われることもあります。

また姿勢保持が苦手な子どもの運動活動を行う際に用いることで、筋緊張を高める効果が期待できます。

着用するタイプですので、場所を選ばず使用することができます。

これまでの研究では、このベストを着用することで、課題へ安定して取り組むことを助けることなどが報告されています。

 

・加重ブランケット

加重ブランケットは、リラックスを助け安定した睡眠をサポートするために用いられる感覚グッズで、全身に固有感覚が入力されることで、脳の覚醒を鎮静化し睡眠の改善ができると考えられています。

また就寝時のみならず、椅子に座って活動するときにもひざ掛けとして利用することで気持ちを落ち着け、課題に集中することを助けるでしょう。

また感覚統合に基づく支援の場だけではなく、スヌーズレンなどの余暇活動にも活用できます。

 

・全身ストッキング

全身ストッキングは、自分の運動・動作に伴う固有感覚(筋肉の感覚)の変化を脳にフィードバックすることができるグッズです。

この情報を脳に明確に伝えることで自分の姿勢や動きをより明確に受け取ることができ、自分自身の体の状態を把握すること(身体図式)の成熟を促し、運動の無器用さの改善に役立つことが期待できます。

また感覚過敏の子どもは、顔も含め全身をこのなかに入れることで、外部からの刺激を減らし全身の心地よき触覚を感じ、安心感を得ることができるでしょう。

 

・ロングスネーク

ロングスネークは、全身に巻いて触覚を楽しむことや、スネークの上を歩き足底からの固有感覚を楽しむことができます。

また感覚統合に基づく支援では、感覚情報に対して子どもにとっての意味が大切であるとされており、

ロングスネークのようなキャラクター性があるものは、遊びにストーリー性を持たせ、子どもにとって意味ある環境情報を提供することができます。

4メートルのひも状の形態は、運動遊びを提供する際に、運動の方向性や跳ぶ幅などを視覚的にわかりやすく提示するための目印としてとても使いやすいと思います。